幻のインディーズ映画
『レイズライン』
Ley's Line
(2002年)
「謎は謎なりに残しつつ、歪んだ都市伝説が一つに収束するラストには参りました。
身近な中央線がこんな不思議な世界に描かれるとは驚きです。
“バルカン超特急”“痴漢電車”にも匹敵する、電車内映画でしたね」
(映画評論家・宇田川清一/「レイズライン」評)
みちのく国際ミステリー映画祭オフシアター部門グランプリ
インディーズ・ムービー・フェスティバル準グランプリ
TAMA NEW WAVE ビデオ部門 特別賞
同じ沿線に住みながら、“どうしても会えなくなった”一組の男女。
そこに秘められた意外な真実とは!?
自殺、事故、事件が絶えない、世界有数の呪われた路線・中央線を舞台に、すれ違い、皮肉な運命に翻弄される愛の行方を、路線に蠢く奇妙な人間模様を絡めながら描いた、オカルティック・ラブストーリー。
多部未華子主演の「こわい童謡」などの監督や、堀北真希、水川あさみで映画化された「渋谷怪談」シリーズの原作・脚本、ニンテンドーDS「トワイライトシンドローム 禁じられた都市伝説」などで知られる福谷が、放送作家時代に執筆したシナリオを素に、全編を中央線の駅や列車内に限定してゲリラ撮影を敢行。
ドキュメントタッチでありながら、都市伝説や夢幻ファンタジー、異色ラブストーリーとの融合を試みた独自の展開が、映画祭の審査員だった行定勲監督や、当時インディーズ映画に参加していた人気作家、乙一氏らから賞賛された。
スタッフでは、後に映画「リアル鬼ごっこ」で大ヒットを飛ばし、実写版「がっこうぐらし!」も話題の柴田一成監督がプロデューサーを務め、「悪の華」などの撮影監督、早坂伸が新人時代にカメラを担当。
俳優には、「少林少女」のプロデューサーをはじめ、アクション監督や演出、さらには武田梨奈を発掘、ブレイクさせたことで知られる西冬彦ら、現在プロで活躍する面々が多数参加している。
中でも、列車が空から落ちてくるシーンなど、斬新なCG、VFXで評判を集めたのは、当時からインディーズ・アニメで内外から注目され、現在は「イノセンス」のデジタルエフェクトや「みんなのうた」の監督など、プロのアニメーション作家として活躍する坂本サク。
福谷とはその後も数々の作品でコラボし、新作として、坂本が原作・監督を務め、福谷がプロデュースするアニメ映画「アラーニェの虫籠」が2018年公開している。
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